季刊 「Ebucheb(エブオブ)」
年4回発行する「季刊 エブオブ」は、海の環境問題をテーマとした特集を柱に、海と生きものに関するトピックやOWSの活動を通して得たさまざまな情報を発信する大切なツールです。

会報名「エブオブ」の由来
エブオブは自然保護の指標種〜エブオブ創刊号より
美しいパラオの海、大保礁に囲まれた陸地に近いマングローブ林の奥の泥地に、ひっそりと穴を掘って生活する5種類のシオマネキの群れがいます。
(中略)小さな身体に大きなハサミを持った5種類のシオマネキを、パラオ人は一括して「エブオブ(ebucheb)」と呼んでいます。
コロール島周辺は、多くの埋め立てや汚染等によりマングローブが消失しました。そもそもマングローブ林の泥地は、シオマネキだけでなく、あらゆる生物にとって居心地のいい、ゆりかごのような場所でした。ところがその消失により、シオマネキの生活圏はなくなり、自ずとその数も減少しています。
訪れる観光客は、広大な美しいサンゴ礁の海と空、水中に群舞するトロピカルフィッシュに目を奪われていますが、この小さな、美しいけれど目立たないエブオブこそ、パラオの自然保護の指標種であるのです。それが、本季刊誌の表題を「エブオブ」にした理由です。
干潮になると、ひねもす沖のきれいな海に向かっておいでおいでするエブオブは、もしかしたら、岸近くの汚れを嫌って、助けを呼んでいるのかもしれません。
倉田洋二(故・OWS元副会長)
最新号
Ebucheb Vol.90
2023年8月20日 発行
●特集: 「漁具による海洋汚染問題について」
●文:豊島淳子(公益財団法人笹川平和財団海洋政策研究所 研究員)
<連載>海とぴ 〜エブオブ編集委員より
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(89)僕のオフィスは大自然「丁寧な日本人」
OWS活動報告
エブオブ・バックナンバー一覧
※各号バックナンバーの特集記事のみPDFで公開しています。
Ebucheb Vol.89
2023年5月20日 発行
●特集: 「洋上風力発電が海鳥におよぼす影響と課題」 >>pdf
●文:風間健太郎(早稲田大学人間科学学術院・准教授)
<連載>海とぴ 〜エブオブ編集委員より
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(88)僕のオフィスは大自然「自然のせめぎ合い」
OWS活動報告
Ebucheb Vol.88
2023年2月20日 発行
●特集: 「山口県のカブトガニを見つめて30年」 >>pdf
●文:原田直宏(山口カブトガニ研究懇話会)
<連載>海とぴ 〜エブオブ編集委員より
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(87)僕のオフィスは大自然「“自然”という言葉」
OWS活動報告
Ebucheb Vol.87
2022年11月20日 発行
●特集: OWS干潟保全プロジェクト「江奈湾干潟保全の活動報告」 >>pdf
●文:横山耕作(OWS代表理事)
<連載>海とぴ 〜エブオブ編集委員より
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(86)僕のオフィスは大自然「ロンドン自然史博物館で」
OWS活動報告
※特集内「P7:出現レッドリスト種51種」について、その後の精査の結果、以下の通り変更となりました。
ウスコミミ(環境省:NT)を追加(記載漏れ)、ニッポンヒイロワラジムシ(千葉県:C)→ヒゲナガワラジムシ科の一種(RD指定なし)に変更。結果、RD種合計51種(種数に変更なし)
(2023/2/1up)
Ebucheb Vol.86
2022年8月20日 発行
●特集: 繊毛から眺める海の生き物 >>pdf
●文:稲葉一男(筑波大学下田臨海実験センター)
<連載>海とぴ 〜エブオブ編集委員より
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(85)僕のオフィスは大自然「太古のサンゴ礁」
OWS活動報告
Ebucheb Vol.85
2022年5月20日 発行
●特集: 環境医薬品による新たな水域汚染を考える >>pdf
●文:征矢野 清(長崎大学海洋未来イノベーション機構教授)
<連載>海とぴ 〜エブオブ編集委員より
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(84)僕のオフィスは大自然「偉大な菌類たち」
OWS活動報告
Ebucheb Vol.84
2022年2月20日 発行
●特集: サンゴの一斉産卵
生態学的意味とそのメカニズム >>pdf
●文:野澤 洋耕(台湾)中央研究院生物多様性研究中心・副研究員
江奈湾西干潟<毘沙門地区>投棄ごみ撤去 経過報告
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(83)僕のオフィスは大自然「Asking Rule」
OWS活動報告
※<連載>海とぴはお休みさせていただきました
Ebucheb Vol.83
2021年11月20日 発行
●特集: OWS干潟保全プロジェクト「ゆかし潟調査報告」 >>pdf
●文:横山耕作(OWS代表理事)
<連載>海とぴ 〜エブオブ編集委員より
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(82)僕のオフィスは大自然「自然のしなやかさ」
OWS活動報告
Ebucheb Vol.82
2021年8月20日 発行
●特集: ウナギはどこにいる?
~環境DNA解析で生物を採らずに分布を調べる~ >>pdf
●文:笠井 亮秀(北海道大学教授・水産科学研究院)
<連載>海とぴ 〜エブオブ編集委員より
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(81)僕のオフィスは大自然「人間の創造力」
OWS活動報告
Ebucheb Vol.81
2021年5月20日 発行
●特集: ムツゴロウ目線の有明海再生論:森里海を結ぶ >>pdf
●文・写真:田中 克(京都大学名誉教授・舞根森里海研究所長)
<連載>海とぴ 〜エブオブ編集委員より
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(80)僕のオフィスは大自然「写真を撮ること」
OWS活動報告
Ebucheb Vol.80
2021年2月20日 発行
●特集: 原発の温排水がもたらす局所的温暖化 >>pdf
●文:益田玲爾(京都大学舞鶴水産実験所)
『赤松俊子の描いた南洋群島』と倉田さんのこと
<連載>海とぴ 〜エブオブ編集委員より
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(79)僕のオフィスは大自然「プラスチックの海」
OWS活動報告
Ebucheb Vol.79
2020年11月20日 発行
●特集: 干潟のカニからみた生態的特性の多様性 >>pdf
●文:和田 恵次(奈良女子大学名誉教授)
<連載>海とぴ 〜エブオブ編集委員より
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(78)僕のオフィスは大自然「微生物」
OWS活動報告
Ebucheb Vol.78
2020年5月20日 発行
●特集: 海鳥類の保全に取り組む「世界アルバトロスデー&シーバードウィーク」 >>pdf
●文:長谷川 博(OWS会長・東邦大学名誉教授)
<連載>海とぴ 〜エブオブ編集委員より
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(77)僕のオフィスは大自然「意識を切り替える」
OWS活動報告
Ebucheb Vol.77
2020年5月20日 発行
●特集: 食卓から青海苔が消える?海水温変動とスジアオノリの成長の関係 >>pdf
●文:平岡 雅規(高知大学総合研究センター海洋生物研究教育施設)
<連載>海とぴ
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(76)僕のオフィスは大自然「かけがえのない時間」
OWS活動報告
Ebucheb Vol.76
2020年2月20日 発行
●特集: 釣り餌動物の流通および野外への侵入状況 >>pdf
●文:斉藤 英俊(広島大学大学院統合生命科学研究科)
<追悼>倉田洋二先生
<連載>海とぴ
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(75)僕のオフィスは大自然「日本に求められる変化」
OWS活動報告
Ebucheb Vol.75
2019年11月20日 発行
●特集: 「サケ学」から知る地球環境 ―わが国水圏生態系への危惧― >>pdf
●文:帰山 雅秀(北海道大学名誉教授・北極域研究センター)
<連載>海とぴ
<連載>OWS活動報告
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(74)僕のオフィスは大自然「野焼き」
Ebucheb Vol.74
2019年8月20日 発行
●特集: 高知大・中村洋平先生のお話
温暖化による魚類相の変化を探る ー四国黒潮沿岸調査 >>pdf
●聞き手・文:瀬戸内 千代(海ライター・エブオブ副編集長)
●お話・写真提供:中村 洋平(高知大学農林海洋科学部准教授)
<連載>海辺の生きもの観察ノート 「アナダコ」
<新連載>海とぴ
<連載>OWS活動報告
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(73)僕のオフィスは大自然「環境変化の連鎖」
Ebucheb Vol.73
2019年4月20日 発行
●特集: 鳥島のオキノタユウ集団
繁殖つがい数が1,000組、総個体数は5,000羽を超え、持続的成長へ >>pdf
●文:長谷川博(OWS会長・東邦大学名誉教授)
<連載>OWS活動トピック「江奈湾の投棄ゴミ」
<連載>海辺の生きもの観察ノート 「コモンイトギンポ」
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(72)僕のオフィスは大自然「南極大陸」
Ebucheb Vol.72
2019年1月20日 発行
●特集: 福島県における水産物の放射能汚染の現状と漁業の復興状況 >>pdf
●文:和田敏裕(福島大学環境放射能研究所)
<連載>海辺の生きもの観察ノート「気の毒なフナムシ」
<連載>OWS活動トピック「対馬」水中ゴミ回収活動報告
<連載> 世界の海から「海洋保護区は機能しているか??」
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(71)僕のオフィスは大自然「アリバダ」
Ebucheb Vol.71
2018年10月25日 発行
●特集: 海洋酸性化は生態系にどのような変化をもたらすか
~式根島での観察から見えたもの~ >>pdf
●文:シルバン アゴスティーニ(筑波大学下田臨海実験センター)、樋口 富彦(東京大学大気海洋研究所)
<連載>海辺の生きもの観察ノート「エボシガイ」
<サンゴ礁年2018Topic>「日本全国みんなでつくるサンゴマップ」に参加しよう
<連載>OWS活動報告
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(70)僕のオフィスは大自然「トンガのクジラ」
Ebucheb Vol.70
2018年7月20日 発行
●特集: ニホンウナギの保全のために、本当に役に立つこと >>pdf
●文:海部健三(中央大学法学部准教授・ウナギ保全研究ユニット長、国際自然保護連合 種の保全委員会ウナギ属魚類専門家グループ)
<連載>海辺の生きもの観察ノート「オキナワハクセンシオマネキ」
<連載> 世界の海から
「プラスチック製品の使用廃止に向けて」~モントレーベイ水族館の取り組み~
<連載>OWS活動報告
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(69)僕のオフィスは大自然「ミツバチと自然の繋がり」