年4回発行する「季刊 エブオブ」は、海の環境問題をテーマとした特集を柱に、海と生きものに関するトピックやOWSの活動を通して得たさまざまな情報を発信する大切なツールです。



会報名「エブオブ」の由来


エブオブは自然保護の指標種〜エブオブ創刊号より


 美しいパラオの海、大保礁に囲まれた陸地に近いマングローブ林の奥の泥地に、ひっそりと穴を掘って生活する5種類のシオマネキの群れがいます。
(中略)小さな身体に大きなハサミを持った5種類のシオマネキを、パラオ人は一括して「エブオブ(ebucheb)」と呼んでいます。

 コロール島周辺は、多くの埋め立てや汚染等によりマングローブが消失しました。そもそもマングローブ林の泥地は、シオマネキだけでなく、あらゆる生物にとって居心地のいい、ゆりかごのような場所でした。ところがその消失により、シオマネキの生活圏はなくなり、自ずとその数も減少しています。

 訪れる観光客は、広大な美しいサンゴ礁の海と空、水中に群舞するトロピカルフィッシュに目を奪われていますが、この小さな、美しいけれど目立たないエブオブこそ、パラオの自然保護の指標種であるのです。それが、本季刊誌の表題を「エブオブ」にした理由です。
 干潮になると、ひねもす沖のきれいな海に向かっておいでおいでするエブオブは、もしかしたら、岸近くの汚れを嫌って、助けを呼んでいるのかもしれません。

倉田洋二(故・OWS元副会長)


Ebuchebはパラオ語で
シオマネキのことです

最新号

Ebucheb Vol.92

表紙:横山耕作(サワガニ/千葉県・養老渓谷)

2024年2月20日 発行

●特集:
「純淡水棲サワガニの驚きの進化史」
‒陸路と海路の2つのルートを用いた分布拡大と2次的接触‒
 

●文:竹中將起(信州大学理学部特任助教)

<連載>海とぴ 〜エブオブ編集委員より
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(91)僕のオフィスは大自然「象の牙」
OWS活動報告

エブオブ・バックナンバー一覧

※各号バックナンバーの特集記事のみPDFで公開しています。

Ebucheb Vol.91

表紙:宮川貴子(和歌山県ゆかし潟)

2023年11月20日 発行

●特集:
「海洋生態系における防汚物質の生物影響」 >>pdf

●文・写真:大地 まどか(東京農工大学大学院)

<連載>海とぴ 〜エブオブ編集委員より
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(90)僕のオフィスは大自然「フィリピンのごみ事情」
OWS活動報告

Ebucheb Vol.90

表紙:宮川貴子(ハマボウ・和歌山県ゆかし潟)

2023年8月20日 発行

●特集:
「漁具による海洋汚染問題について」 >>pdf

●文:豊島淳子(公益財団法人笹川平和財団海洋政策研究所 研究員)

<連載>海とぴ 〜エブオブ編集委員より
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(89)僕のオフィスは大自然「丁寧な日本人」
OWS活動報告

Ebucheb Vol.89

表紙:宮川貴子(千葉県銚子市)

2023年5月20日 発行

●特集:
「洋上風力発電が海鳥におよぼす影響と課題」 >>pdf

●文:風間健太郎(早稲田大学人間科学学術院・准教授)

<連載>海とぴ 〜エブオブ編集委員より
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(88)僕のオフィスは大自然「自然のせめぎ合い」
OWS活動報告

Ebucheb Vol.88

表紙:横山耕作(和歌山県・串本)

2023年2月20日 発行

●特集:
「山口県のカブトガニを見つめて30年」 >>pdf

●文:原田直宏(山口カブトガニ研究懇話会)

<連載>海とぴ 〜エブオブ編集委員より
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(87)僕のオフィスは大自然「“自然”という言葉」
OWS活動報告

Ebucheb Vol.87

表紙:横山耕作(江奈湾西干潟)

2022年11月20日 発行

●特集:
OWS干潟保全プロジェクト「江奈湾干潟保全の活動報告」 >>pdf

●文:横山耕作(OWS代表理事)

<連載>海とぴ 〜エブオブ編集委員より
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(86)僕のオフィスは大自然「ロンドン自然史博物館で」
OWS活動報告

※特集内「P7:出現レッドリスト種51種」について、その後の精査の結果、以下の通り変更となりました。
ウスコミミ(環境省:NT)を追加(記載漏れ)、ニッポンヒイロワラジムシ(千葉県:C)→ヒゲナガワラジムシ科の一種(RD指定なし)に変更。結果、RD種合計51種(種数に変更なし)
(2023/2/1up)

Ebucheb Vol.86

表紙:小川修作(西伊豆・安良里)

2022年8月20日 発行

●特集:
繊毛から眺める海の生き物 >>pdf

●文:稲葉一男(筑波大学下田臨海実験センター)

<連載>海とぴ 〜エブオブ編集委員より
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(85)僕のオフィスは大自然「太古のサンゴ礁」
OWS活動報告

Ebucheb Vol.85

表紙:宮川貴子(三浦半島・城ヶ島)

2022年5月20日 発行

●特集:
環境医薬品による新たな水域汚染を考える >>pdf

●文:征矢野 清(長崎大学海洋未来イノベーション機構教授)

<連載>海とぴ 〜エブオブ編集委員より
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(84)僕のオフィスは大自然「偉大な菌類たち」
OWS活動報告

Ebucheb Vol.84

表紙:小川修作(クシノハカクレエビ・伊豆大島)

2022年2月20日 発行

●特集:
サンゴの一斉産卵
生態学的意味とそのメカニズム
 >>pdf

●文:野澤 洋耕(台湾)中央研究院生物多様性研究中心・副研究員

江奈湾西干潟<毘沙門地区>投棄ごみ撤去 経過報告
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(83)僕のオフィスは大自然「Asking Rule」
OWS活動報告

※<連載>海とぴはお休みさせていただきました

Ebucheb Vol.83

表紙:宮川貴子(アカテガニ・和歌山県ゆかし潟)

2021年11月20日 発行

●特集:
OWS干潟保全プロジェクト「ゆかし潟調査報告」 >>pdf

●文:横山耕作(OWS代表理事)

<連載>海とぴ 〜エブオブ編集委員より
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(82)僕のオフィスは大自然「自然のしなやかさ」
OWS活動報告

Ebucheb Vol.82

表紙:小川修作(キクメイシにすむコケギンポ・高知県竜串)

2021年8月20日 発行

●特集:
ウナギはどこにいる?
~環境DNA解析で生物を採らずに分布を調べる~
 >>pdf

●文:笠井 亮秀(北海道大学教授・水産科学研究院)

<連載>海とぴ 〜エブオブ編集委員より
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(81)僕のオフィスは大自然「人間の創造力」
OWS活動報告

Ebucheb Vol.81

表紙:高砂淳二(ヨコミゾスリバチサンゴ・長崎県五島市)

2021年5月20日 発行

●特集:
ムツゴロウ目線の有明海再生論:森里海を結ぶ >>pdf

●文・写真:田中 克(京都大学名誉教授・舞根森里海研究所長)

<連載>海とぴ 〜エブオブ編集委員より
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(80)僕のオフィスは大自然「写真を撮ること」
OWS活動報告

Ebucheb Vol.80

表紙:横山耕作(三浦半島・江奈湾干潟)

2021年2月20日 発行

●特集:
原発の温排水がもたらす局所的温暖化 >>pdf

●文:益田玲爾(京都大学舞鶴水産実験所)

『赤松俊子の描いた南洋群島』と倉田さんのこと
<連載>海とぴ 〜エブオブ編集委員より
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(79)僕のオフィスは大自然「プラスチックの海」
OWS活動報告

Ebucheb Vol.79

表紙:高砂淳二(ハワイアンモンクアザラシ・オアフ島)

2020年11月20日 発行

●特集:
干潟のカニからみた生態的特性の多様性 >>pdf

●文:和田 恵次(奈良女子大学名誉教授)

<連載>海とぴ 〜エブオブ編集委員より
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(78)僕のオフィスは大自然「微生物」
OWS活動報告

Ebucheb Vol.78

2020年5月20日 発行

●特集:
海鳥類の保全に取り組む「世界アルバトロスデー&シーバードウィーク」 >>pdf

●文:長谷川 博(OWS会長・東邦大学名誉教授)

<連載>海とぴ 〜エブオブ編集委員より
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(77)僕のオフィスは大自然「意識を切り替える」
OWS活動報告

Ebucheb Vol.77

2020年5月20日 発行

●特集:
食卓から青海苔が消える?海水温変動とスジアオノリの成長の関係 >>pdf

●文:平岡 雅規(高知大学総合研究センター海洋生物研究教育施設)

<連載>海とぴ
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(76)僕のオフィスは大自然「かけがえのない時間」
OWS活動報告

Ebucheb Vol.76

2020年2月20日 発行

●特集:
釣り餌動物の流通および野外への侵入状況 >>pdf

●文:斉藤 英俊(広島大学大学院統合生命科学研究科)

<追悼>倉田洋二先生
<連載>海とぴ
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(75)僕のオフィスは大自然「日本に求められる変化」
OWS活動報告

Ebucheb Vol.75

2019年11月20日 発行

●特集:
「サケ学」から知る地球環境 ―わが国水圏生態系への危惧―  >>pdf

●文:帰山 雅秀(北海道大学名誉教授・北極域研究センター)

<連載>海とぴ
<連載>OWS活動報告
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(74)僕のオフィスは大自然「野焼き」

Ebucheb Vol.74

2019年8月20日 発行

●特集:
高知大・中村洋平先生のお話
温暖化による魚類相の変化を探る ー四国黒潮沿岸調査
 >>pdf

●聞き手・文:瀬戸内 千代(海ライター・エブオブ副編集長)
●お話・写真提供:中村 洋平(高知大学農林海洋科学部准教授)

<連載>海辺の生きもの観察ノート 「アナダコ」
<新連載>海とぴ
<連載>OWS活動報告
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(73)僕のオフィスは大自然「環境変化の連鎖」

Ebucheb Vol.73

2019年4月20日 発行

●特集:
鳥島のオキノタユウ集団
繁殖つがい数が1,000組、総個体数は5,000羽を超え、持続的成長へ
 >>pdf

●文:長谷川博(OWS会長・東邦大学名誉教授)

<連載>OWS活動トピック「江奈湾の投棄ゴミ」
<連載>海辺の生きもの観察ノート 「コモンイトギンポ」
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(72)僕のオフィスは大自然「南極大陸」

Ebucheb Vol.72

2019年1月20日 発行

●特集:
福島県における水産物の放射能汚染の現状と漁業の復興状況 >>pdf

●文:和田敏裕(福島大学環境放射能研究所)

<連載>海辺の生きもの観察ノート「気の毒なフナムシ」
<連載>OWS活動トピック「対馬」水中ゴミ回収活動報告
<連載> 世界の海から「海洋保護区は機能しているか??」
<連載>高砂淳二フォトエッセイ(71)僕のオフィスは大自然「アリバダ」

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NPO法人 OWS