国際サンゴ礁年特別企画国際サンゴ礁年特別企画 

 @国立科学博物館新宿分館

講演:西平 守孝 (名桜大学特任教授)キャサリン ミュジック (日本水中映像株式会社学術コンサルタント)向井 宏 (海の生き物を守る会代表/京都大学フィールド科学教育研究センター特任教授)

テーマは、「サンゴ礁保全と海洋保護区~生物多様性保全を考える〜」
国際サンゴ礁年を締めくくり、来るべき2010年の国際生物多様性年に向け、生物多様性保全を考えるにもっともふさわしいゲストスピーカー3名をお招きして開催しました。

1. 西平守孝氏の講演「サンゴ礁の自然をみつめて」

講演要旨:
サンゴは、サンゴ礁の基礎を作り、多様な生物のすみかとなり,美しい景観を作っています。多くの生物が共存しているからくりの謎解きが面白くて,サンゴ礁での観察を続けてきました。ある生物がいることにより、他の生物もそこにすむことができるという「棲み込み連鎖」を通して見えてくる、サンゴ礁生物群集の成り立ちや、保全への取り組みについて、考えてみたいと思います。

2. キャサリン・ミュジック氏の講演「山と海は恋人」

講演要旨:
サンゴは絶滅の危機に瀕しています。熱帯から極地まで、世界中の海は全て危機的な状況にあります。陸上と海での人間の活動は、海の環境を徹底的に変えてしまいました。私たちの貴重な海洋環境に対する獰猛な変化のスピードを落とし、くい止め、そして元に戻すために、私たちは何ができるのでしょう。挑戦し、良い未来を願いましょう!しかし、変化を願う以上に、変えなければならないのです。

3. 向井 宏氏の講演「海洋保護区をつくろう ~海の生物多様性保全に向けて~」

講演要旨:​
昔、魚は無尽蔵でした。それが今では、鯨、マグロはもとより、大衆魚でさえも危うくなり、魚だけでなく多くの海の生き物が人知れず地域的、全国的にいなくなってきています。その原因は、人間のなせる業であることが多いのです。そこで、海の生き物を守るため、人間が手を加えない場所を作ろうというのが、海洋保護区の思想です。しかし日本では、この思想はまだ多くの同意を得るにいたっていません。それは何故か、どうすれば保護区を作ることができるのか。それらの問題点を紹介して、一緒に考えてみたいと思います。

実施要項

●時間:14:00~17:40(13:30開場)
●参加費:OWSメンバー:1,000円/学生:1,000円/一般:1,500円
●定員:150名(事前申込制)
●協力:環境省・日本サンゴ礁学会・WWFジャパン・日本水中映像株式会社
 


 協賛:オリンパス株式会社


講演者・プロフィール

西平 守孝

西平 守孝(名桜大学特任教授)

沖縄県石垣島出身。東北大学大学院理学研究科博士課程修了(理博)。サンゴ礁、海草藻場、マングローブ湿地などをフィールドに、生物や生物群集を観察。著書に、「サンゴ礁の渚を遊ぶ」、「日本の造礁サンゴ類」、「足場の生態学」など。東北大学を退官後、現職。東北大学名誉教授。



キャサリン ミュジック

キャサリン ミュジック日本名:水木桂子(日本水中映像株式会社学術コンサルタント)

アメリカ合衆国ミシガン州出身。マイアミ大学にて八放サンゴを研究し、理学博士号取得。1981年からサントリー生物有機科学研究所の研究員として沖縄のサンゴの研究を始め、2007年には沖縄県本部町に移住し、子どもたちのための環境教育施設「おたまじゃくし城」をつくるなど、環境教育に力を入れている。著書に、サンゴの絵本「エリセラさんご」など多数。
写真:(c)Aya Higa



向井 宏

向井 宏(海の生き物を守る会代表/京都大学フィールド科学教育研究センター特任教授)

広島大学大学院博士課程修了。東京大学海洋研究所、北海道大学理学部および北方生物圏フィールド科学センター厚岸臨海実験所に勤務。底生生物の生態学、藻場の群集生態学、森と海の相互作用などについて研究。2007年退職後、「海の生き物を守る会」を立ち上げる。北海道大学名誉教授。2008年10月から現職。



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