伊豆諸島鳥島におけるアホウドリの繁殖状況

■テキスト&写真:長谷川博(OWS会長・東邦大学名誉教授)

はじめに

かつて、太平洋の北西部に浮かぶ無人の島々で大集団をなし、おびただしい数で繁殖していた大型の海鳥アホウドリは、19世紀の末から20世紀の初めに、羽毛採取のために数百万羽も乱獲され、1949年に地球上から「絶滅」したと考えられました。しかし、1951年1月6日に伊豆諸島最南部にある無人の火山島・鳥島で、10羽ほどが生き残って繁殖していることが山本正司さんによって確認され、アホウドリは「再発見」されました。

その後、鳥島気象観測所(1952年10月に鳥島測候所から改称)の人々によって、繁殖状況の継続調査や営巣地の改善、野生化したネコ・ヤギ駆除など、最初期の保護活動が行われました。しかし1965年11月に、地震が群発したため火山の噴火を警戒して観測所は閉鎖され、鳥島は無人島となり、アホウドリの調査研究は途絶えました。

約8年間の空白の後、1973年4月末に英国人鳥類学者のランス・ティッケル博士が英国海軍などの支援によって鳥島に上陸し、アホウドリの繁殖状況を調査しました。まったく偶然に彼と出会って、強い刺激を受けたぼくは、1976-77年の繁殖期からアホウドリの個体数監視調査と保護研究を再開し、これまで30年以上にわたって、継続してきました。

これから、このウェブサイトに、伊豆諸島鳥島におけるアホウドリの繁殖状況について、最新情報を要約して掲載します。

くわしい情報は、東邦大学公式ウェブサイトに掲載されるので、そちらを参照してください。

2000年(産卵年)以降の繁殖状況

今後の変化を読み取っていただくための基礎資料として、2000年(産卵年)以降の繁殖状況を下表にまとめました。

アホウドリは渡り鳥で、10月上旬に鳥島にもどってきて、10月下旬から12月初旬に産卵し、5月中旬から下旬にひなが巣立ちます。そのため、繁殖期を2年にまたがって(産卵年と巣立ち年)表記しなければならず、やや面倒ですが、ご理解をお願いします。

【表1】鳥島におけるアホウドリの繁殖状況(2000-01年期〜)と
小笠原諸島聟島への人為的移住

>>表を大きくして見る

長谷川博
OWS会長
東邦大学名誉教授
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伊豆諸島鳥島における
アホウドリの繁殖状況

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