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フィールドノート
このコーナーでは、国内外、各地に在住しているOWSメンバーから、身近な海辺情報や自然環境に関するニュースなどをお届けします。
 
<< 2011年度 フィールドノート 寄稿者プロフィール>>
>>中村毅
「ジョイジョイ座間味」
代表
(OWS正会員)
>>浪崎直子
国立環境研究所
OWS研究員
(OWS正会員)
>>米沢良介
パラオ スプラッシュ
マネージャー
(OWS正会員)
>>コバヤシカヨ
読売新聞
(OWSサポーター)
>>杉森雄幸
海洋写真家
(OWSサポーター)
 
 
<<最新記事>>
 
 
パラオ人を生んだ貝 パラオより 山村 和 >>Profile
2009/03/15UP
 
 
 
 パラオの海を覗くと、サンゴの合間に輝く藍色や緑色のひらひらが目に付きます。まるで作り物のように金属的な光沢を放っているのは、貝。パラオを代表する『シャコガイ』です。

 シャコガイは英語でGiant Clam、その名の通り世界最大の二枚貝です。中でもオオシャコガイという種類のものは格段に大きく、年数を経たものは殻の長さ1m超、重さは何と200kg以上!貝もここまでくると化け物ですが、実際この貝は神業使いなんですよ!

 パラオの神話によると、世界の始まりに全ての生命を創ったのは、何とこのオオシャコガイ。つまり、パラオ人もこの貝から生まれたのです。
 なぜ貝が?と不思議に思えますが、実はシャコガイは、1つの個体が精子と卵の両方を作り出すことができる雌雄同体の生き物。大昔からこの事実を知っていたパラオ人は、シャコガイを他者の力なしに生命を生み出すことのできる特別なものとして位置付けていたのでしょう。(注:実際に自家受精が起こる確率は極めて低い)
 
 パラオ人にとって、シャコガイは万能の収穫物でもあります。身を食べるのはもちろん、頑丈な殻は古くはナイフや槌などの道具作りに、また焼いて粉にしたものを嗜好品であるビンロウジ噛みに用います。また、仏教で言う七宝の1つ『しゃこ』とはこの貝のこと。磨けばお釈迦様も認める乳白色の宝石です。  

 貝という地味な生き物ながら、シャコガイはここパラオで文字通り「大きな」存在です。
 

 
マングローブのふしぎ 宮古島より 春川京子 >>Profile
2009/02/16UP
 
 
 
私は宮古島でマングローブ探検ツアーを案内しています。
では、マングローブとはいったい何でしょう?名前は聞いたことがあるけれど・・・という人は多いかもしれませんが、マングローブとは、熱帯や亜熱帯地方の、海水と淡水が混じった汽水域に生育している植物の総称なのです。
マングローブの祖先は内陸の山間部にいましたが、生存競争の激しい森から沿岸部に生息地を移すため、潮の干満、塩分、不安定な土壌など厳しい環境に耐えうるようさまざまな進化をとげたのです。
下から上に伸びる根は水面より上に出て呼吸をします。たこ足のような根は塩分濾過や、なんと光合成もします。塩分を葉の表面から排出するものもいます。
マングローブの特徴的なものに、胎生種子があります。海水につかる場所でより多くの子孫を残すため、種でなく、キュウリのような長い胎生種子をつくるのです。時期がくるとそれは親木から離れ落ち、数週間から数か月も海を漂って適した場所に着いたら根づきます。自然の力ってすごい。
今、減少し続けている世界のマングローブの森を守るため、私たちにできることはたくさんあると思います。まずはマングローブを知ることから!
 

 
生きた化石ストロマトライト オーストラリアより 釣田いずみ >>Profile
2009/01/16UP
 
 
 
オーストラリアの海は、魅力に溢れています。世界最大のサンゴ礁グレートバリアリーフ、サーフィンのメッカ、ゴールドコースト、捕鯨問題で有名になってしまった南極海など例を挙げたらきりがありません。中でも興味深い海が西オーストラリアのシャークベイにあります。

シャークベイは、その固有な自然条件から1991年世界遺産に登録されました。特にハメリンプールは、生命の起源を知る上で重要なストロマトライトが現生していることで注目されました。ストロマトライトは、シアノバクテリアという細菌が泥粒と石灰を定着させ、長い歳月をかけて形成した岩です。シアノバクテリアは植物が誕生するはるか昔から光合成を行い、地球上に酸素を供給してきました。ハメリンプールのストロマトライトは2千年以上かけて作られ、その環境状態は地球の35億年前と類似していると言われています。通常の2倍以上ある塩分濃度のハメリンプールでは、シアノバクテリアを捕食する生物が生存できません。その為、生きたストロマトライトを見る事ができるのです。

ハメリンプールに行くにはパースから約850km。途中摂氏45度を越える砂漠地帯を走行しなければならなかったりと簡単ではありません。それでも、壮大な地球の歴史を目で見る感動は何にも変えられないものです。地球温暖化等、未来を楽観視できない私に「長い歴史の中でも変わらずに存在しているものもある」っと教えてくれた貴重な場所なのでした。

参考文献「Shark Bay」<http://www.sharkbay.org/default.aspx> (2009/01/16アクセス)
 

 
ミッドウェイまでやって来ました ミッドウェイ環礁より 杉下純市 >>Profile
2008/12/27UP
 
 
 
私はいま北西ハワイ諸島ミッドウェイ環礁に来ています。米国魚類野生生物局(以後FWS)のボランティアとしてアホウドリ類の調査研究、生息地復元、海洋ゴミ調査など様々な活動を行っています。ここは国立自然保護区に指定されている野生動物の宝庫です。以前はOWSのフィールドオフィスがありました。ハワイ諸島の中でもこの環礁は非常に古く、その年齢は一番若いハワイ島の50万年に対し2,800万年にもなります。

冬のこの時期、主役はなんといってもコアホウドリ!ここは地球上最大のコアホウドリの集団繁殖地で、つがい数はナント45万組を超えます。日に日に島が帰還する鳥たちで埋め尽くされていく様は圧巻でした。宿舎の目の前で産卵の瞬間に立ち会えた時はまさに感動のひと言。でも実はそれを上回る感動がありました。OWS長谷川博会長が長年に渡り伊豆諸島・鳥島で保護、研究にご尽力されている絶滅危惧種のアホウドリにここミッドウェイで出逢えたのです。最初に出逢ったのは1988年に鳥島で長谷川会長により足環標識がつけられた21歳になる雄の成鳥でした(FWS John Klavitter氏による)。彼は長谷川会長により寄贈されたデコイ(実物そっくりの模型)に囲まれるようにして座っていました。大きさもさることながら、その優美な姿に一目で魅了されました。1999年以来毎年この場所を訪れてはお気に入りのデコイを羽づくろいしたりしているそうです。アホウドリが再びこの地で繁殖する日を待ち遠しく思います。
 

 
かなり凄い海 北海道・知床より 倉沢栄一 >>Profile
2008/11/08UP
 
 
 
 春から、ついこの間まで、新天地である知床・羅臼沖で、かなりの時間を撮影に費やしました。ホエールウオッチングをメインに運行している観光船に、乗せてもらいながら。

 それであらためて、国後島と知床半島に挟まれた根室海峡の豊穣さに驚いています。
 流氷がまだある3月ころからシャチの群れが現れだし、9月頭まで続きました。大型クジラ類をも群れを作って襲うといわれるシャチは、全海洋の食物ピラミッドの頂点に立つ生き物。彼らがいるというだけで、裾野に広がるここの生態系が、大きくてしっかりとしていることの証明となるのです。
 さらにイシイルカは当たり前のようにいるし、最大クラスのオスのマッコウクジラや群れなすツチクジラ、また僕は目にしていませんが、今年の夏にはザトウクジラやナガスクジラも目撃されています。
 海の豊かさの秘密を、かいま見ることもありました。夜の海の潜ったときの出来事です。動物プランクトンが、どれくらい光に集まるのか、暗闇の海中で水中ライトを光らせて実験しました。6月には、数分もしないうちに、数cm先すら見えなくなるほどプランクトンが出現。ところが、8月に同じことをしてみたら、ほとんどそれらの姿が見えません。おそらくは、春先、爆発的に大発生する流氷由来の植物プランクトンを栄養源として、初夏には動物プランクトンが増加し、夏にかけて何物かによって大量消費された結果ではないかと思っています。
 これこそが、シャチをも生かすことのできる、北の海の底力なのでしょう。

 

 
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