江奈湾全景(撮影:海洋写真家・杉森雄幸)

江奈湾全景(撮影:海洋写真家・杉森雄幸)

江奈湾の位置

江奈湾干潟は、三浦半島南端部に位置し、南に湾口を開いた江奈湾の湾奥に残された2ヵ所の小さな干潟です。


三浦半島南部の3つの干潟
(小網代湾・毘沙門湾・江奈湾)

泥質干潟とヨシ群落


泥質干潟(西干潟)


西干潟は3つの小さな河川が合流して形成された澪筋(みおすじ)の両側にできた泥質干潟(3.4ha)で、降雨により上流に広がる畑地の表土を浸食した泥の供給によって形成されています。泥質干潟の後背地には、1.7haほどのヨシ群落が発達しています。また、低潮線付近にはコアマモ場が発達し、潮下帯にはアマモがパッチ状に生育しています。

西干潟は、この50年余りの間に流入した土の堆積が進み、徐々に満潮線が海側に数十メートル移動しました。満潮線の移動に伴いヨシ群落も海側に移り、後背地には雑木やクズなどのツル植物の遷移が進んでいます。


コアマモ場

ヨシ群落
ヨシ群落はアシハラガニ、クロベンケイガニ、ハマガニなどの半陸生ガニに生息場所を提供している一方、内部には投棄ごみと漂着ごみが大量に堆積し、一部はごみ捨て場の様相を呈している場所もありました。
2012年からOWSの保全活動の取り組みが始まり、長年滞留していた投棄ごみは回収・処分が進みつつあります。


ヨシ群落のごみ


砂礫干潟(東干潟)


東干潟は、田鳥川が流入する堤防に囲まれた砂礫干潟(1.7ha)で、潮下帯にはアマモ群落がみられます。後背地は県道と海側の湾沿いに作られた堤防と漁港で陸域と遮断されています。

アマモは、湾中央寄りの潮下帯に群落を作り、コアマモは干潮線付近にパッチ状に点在しています。


堤防前の砂礫干潟


アマモ場




江奈湾の移り変わり


江奈湾最奥部の当時の写真(写真提供:地元協力者 高梨健児さん)


1965年(後背地は水田)


1979年10月


2014年2月